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かけがえのない記憶たち。

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    nobodynobody

      放課後の教室に残って、窓の外を眺めていた。西日が差し込む光の中で、彼が部活に向かって廊下を歩いていく姿がちらりと見えた。何でもない場面なのに、その背中を目にしただけで、胸の奥がきゅっと締めつけられる。声をかけたいのに勇気が出ず、ただ見送ることしかできなかった。

      最近、自分でも可笑しいくらい彼のことばかり考えている。朝、昇降口で靴を履き替える時に、偶然となりに立った瞬間の沈黙。お昼休みに友達と笑っている彼の声を耳にした時の、どうしようもない高鳴り。そんな小さな出来事が一日を彩っていく。

      今日、図書室で偶然同じ本棚の前に立った。彼が背伸びをして本を取ろうとした時、先に手を伸ばした私の指が彼の手に少しだけ触れた。ほんの数秒の出来事なのに、私の中では永遠に刻まれたような気がする。その後、彼が「どうぞ」と少し照れたように笑った顔が忘れられない。

      友達に相談しようかとも思うけれど、言葉にした瞬間に壊れてしまいそうで、まだ秘密にしておきたい気もする。私だけが知っている心の鼓動、私だけが感じている世界の色。それを大切に抱えている時間も、恋のひとつの形なのかもしれない。

      恋をしていると、自分が誰かに向けて開いていくような感覚がある。普段なら気づかない小さな仕草や表情、ちょっとした会話の温度に敏感になってしまう。そして、そのすべてに意味を探してしまう。彼は何を考えているのだろう、私のことを少しでも意識しているのだろうか。そんな答えの出ない問いを抱えながらも、不思議と幸せを感じている。

      この気持ちを伝える日は、まだ遠い未来かもしれない。でも、いつか勇気を持てるように、今日の一瞬一瞬を大事に覚えておこうと思う。今日触れた指先の温度も、笑った時の表情も、放課後の光の中で見た背中も、全部。そうやって少しずつ積み重ねていく毎日こそが、今の私にとってかけがえのない恋日記になっている。

    返信先: かけがえのない記憶たち。
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