[nobody]

然るべきタイミングで与えられる〝愛〟っぽい何かは、
何となく身に覚えがあって。
当然、持続性など無い事も分かっている。
歳を重ねるにつれて、一過性のある娯楽的な〝愛〟っぽい何かに応える事ができなくなった。

私はとうに、臆病な大人になっていた。
今はもう、衝動的で感情的な好意を人に当て付ける事が、怖くて仕方が無い。感情の清算よりも、分かち合える時間を、選んでしまう。目紛しく移り変わる季節の中の人ですら、もう失いたくは無い。誰一人として。

とか、小難しく書いてみてはいるけど、
受け取ってもらえない可能性が少しでもあるものは、
簡単には渡してあげない。ってだけ。
だって勿体無いし。
行き場を失った気持ちが、
宙ぶらりんになるのは、もう御免だし。

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