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トピック
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塾の大学生の先生。誰よりも無表情で仕事に真面目で静かで、そんな印象だった。だけどなんか初めて見たときからなつかしくて、親近感を覚えて。それは私だけじゃなかったのかな、向こうもよくこっちをチラチラみていた。それには気づいてた。
中学生にいじられている先生を助けたこともあった。手紙の交換をした時もあった。秘密のツーショをとったときもあった。
そんなある日、いつも帰る時間よりだいぶ前に帰らないといけなくなった。先生たちに「さよならー」と声をかけ、駐車場に向かうと
「〇〇さん」
と名前を呼ばれた。
その先生が、私を呼び止めていた。ふたりきりになるのは初めてですごく緊張した。「もう、帰っちゃうの、?」そう言って寂しそうに肩を落とす先生。ねえ、どういう意味?なんて聞けなくて、今日は用事があって、と返した。「今度2人で話せるかな、」っていつもは表情を変えない先生が照れくさそうにしていた。ドキッとしてしまった。混乱しながらも「大丈夫ですよ」と答え、帰ろうとしてたら先生がまたうちを呼び止めた。「先生?どうしたんですか?」そう聞くと先生は照れくさそうにうちから目を逸らして「な、なんでもない…さよなら!」と照れて笑う。
そしてそのあと。私が大きな怪我をした。数ヶ月塾にいけなくなった。先生に会えなくて毎日泣いた。先生も寂しいって思ってくれてるかな、そう思っちゃったりして。
そして塾に戻れてからしばらくして、先生の姿が見えなくなった。おやすみ期間かな?って思って(多分言い聞かせてた)、他の先生に聞いたら「あぁ、あの先生ね、やめちゃったよ」
頭は真っ白。さよならも言わずいなくなった先生。ねえ、忘れられるわけないじゃん。うちがいなくなったからなのかな、とかちょっと期待したけど、会えないんだよ先生。ねえ、どこでなにをしていますか?
こんど学園祭に行ったらまた写真撮ってくれる?連絡先交換してくれる?今でもわすられるわけもなく大好きです。先生、さよならくらい、言ってくれてよかったよ。
私にだけ見せてくれたあの笑顔、照れた顔、忘れないよ。