[nobody]

片想いとまではいかなかったけど、笑う顔も声も何もかもが愛おしいと思っていた人とある時、距離が縮まった。はじめは、からかわれているのではないか、遊ばれてるのかもとか思いながら、LINEを待つ日々だった。ある年の末に気持ちを伝えてくれた時すごく嬉しかった。叶わないって思ってた人だったから、好きになってもらえるなんて思わなかった。それからの日々は幸せだった。知らないことをたくさん教えてくれて、毎日が刺激的だった。「愛してる」って生まれてはじめて言われた。「はじめて好きだって思える人に出会った」って恥ずかしくもあり嬉しかった。その言葉でたくさん嬉しい涙を流したのに、今では心に深く刺さって抜けない棘になった。君には愛すべき存在がいて、それは私じゃなかった。きっと今頃は、楽しく過ごしてるんだろうなって。私のことなんてなかったかのように毎日を生きてるのかなって思うと、なんで私だけ苦しまないといけないのかわからなくなる。まだいたるところに君がいるのに。1年半苦楽を共にしていたと思っていたのに、きっと最初から最後まで私の片想いだった。こんなこと私だって忘れたい。こんな辛い思いするなら出会いたくなかった。好きにならなければよかった。でも、やっぱり好き。たぶん、忘れられないくらい好き。この気持ちは心の中にしまっておく。だから、すれ違っても他人のふりをしてね。最後のお願いだよ。

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